癒しを求めて

へなちょこゲーマーが色んなこと呟くブログ

2匹…2人の白狐

カイトとミア先生の物語シリーズ3つ目だよ

タイトルは特に無いよごめんね!
そして大遅刻(土下座)
100日近く放置してたぁ(´・ω・`)


それでは始まります

前の夢の一件から数週間、平穏なある日のこと、ミア先生から「カイトーちょっと頼みたいことがあるのだけどー」
「なんですか先生?」
「薬草の調合をしていたところなのだけど、リン草が切らしてしまったのよね。だから取りに行って欲しいのよ」
「分かりましたーってもどこにありましたっけ?」
「ここから北に数分あるくと開けたところに出るのだけど、そこの丘にこの季節なら満面に咲いてるわ」
「分かりました!行ってきますー!」
そう言って僕は家を出て、北に向かって歩く。
森の中は今日も動物たちが生きていて、中には僕になついている動物たちもいる。
鹿だったり狐だったりで色々いるのだけど、僕がいまだに見たことない動物もいるらしい。
歩いて少ししたらリスが一匹僕の肩に乗ってきた。 
「やあ、今日も元気かい?」
と問いかけると首筋に頬をすりすり擦り付けてくれた。
「はは、元気そうだね」
と頭を少し撫でてくれた。
そしてリスと一緒にまた歩き、暫くすると開けた場所に出た。
そこには一面に白い花が丘一面に咲いていたのだが、僕はあることに気が付いた
「ってあれ?あそこだけ花が無い・・・?」
リスと一緒に傾ける。
僕は気になって近づくと、そこには傷だらけで息も絶え絶えになっている横たわっている白い狐が一匹とそこの横で傷をなめて心配そうにしている白い狐が一匹いた。 兄弟の狐だろうか・・・?
そして僕に気づくと、いかにも助けてほしそうに僕の目に座り、こちらを見ていた。
「分かったよ、ちょっと見せてくれないか・・・?」
そう恐る恐る聞いてみると、狐はうなずいてそこをどいてくれた。
そして傷だらけな方を見ると、全身傷だらけでいてこのままでは間に合わないなと思い、回復魔法を使った。
「治って・・・!」
僕の手をかざしてこころみた。
最低限の止血は出来たけど、僕はまだ魔法に関しては素人でそこまでしか治すことしかできなかった。
まだ治さないといけないだろうと思った
「最低限しか治せてないから僕の師匠に見せていいかな・・・?」
そう聞いてみると、元気な狐はうなずき僕のリスが乗ってないほうの肩に乗っかかった。
僕は傷ついていたほうを抱え、全力で家に帰った。

「先生!!!」
息も絶え絶えになりながらドアを開ける。
「カイト?どうしたの・・・って!今すぐ治療するわ!その子を机の上に置いて!」
「はい!」
そっと机においてあげる。
そして先生は狐の前に立ち呪文を唱えると狐の周りが光り、傷がすべて癒えた。
元気な方の狐は肩から飛んで机に着地し寝ている狐の周りでぐるぐると回っていた。

「取り敢えずこれでいいでしょう。一日は安静にしてもらって明日森の中に返してあげましょう。」
「分かりました・・・ってあ、先生リン草持って帰ってくるの忘れてました・・・」
「いいのよ、救える命を救えれたのだから。また今度私が取りに行くわ。カイトは優しい子ね」
そう優しく微笑みながら頭をなでてくれた。
「ありがとうございます・・・僕の部屋に寝かしに行ってきます。君も来てくれるかい?」
そう言うと元気な方の狐は机から降りて僕の足元まで来てくれた。
「それじゃ寝かしてきます。」
「ええ、そうしたら夕ご飯にしましょう」
「はい!」
そういって僕の部屋に向かい、僕のベットの枕のそばにそっと寝かしてあげた
「君は・・・どうする?」
そう元気な方聞いてみると寝かしたほうの狐の隣で丸くなり寝てしまった。
「寝ちゃったか・・・まあ心配で仕方なかっただろうからね。」
そう思いながら部屋の明かりを消し、そっと部屋を出た。
そしてその後先生と夕ご飯を食べたのちお風呂に入り、リビングのソファに横になり寝た。





翌朝
炊事の音ともに目を覚ます。
「先生、おはようございます」
「おはよう。朝ごはんまでもう少しかかるから二匹の様子を見にって上げたら?」
「そうですね、見に行ってきます」
僕は僕の部屋に寝かしてた狐達の様子を見にいった。
そして部屋に入るとそこには小柄で全裸の白い狐耳と白い尻尾を生やした二匹・・・いや二人が寝ているという光景に遭遇した。
「へっ・・・?ええーーーー!」
僕はおどいて思わず叫んでしまった。
その大きな声で驚いたのか、寝ているうちの1人小さい方の子が目を擦りながら起きた。
「……?エルにぃおはよー……?あれ…寝てる?」
と辺りを見渡して僕に気がついたらしくこちらを向き、
「おはよーございます…昨日は助けて貰ってありがとう…ございます…」
「という事は君は昨日の狐・・・?」
「そうですよー僕は弟のレテです」
そう言いながらお辞儀をする。
「ど、どうも。僕はカイト」
僕は未だに状況が分かってなかった中、中々戻って来なかったからか様子を見に来たミア先生がやってきた。
「カイト、ご飯できたよー・・・?ってこの子たちまさか昨日の?」
「そうみたいです・・・今起きてるのがレテ君、寝てるのがエル君だそうです」
「成程ねー・・・ねえレテ君。親御さんはいないの?」
「はい…どこかではぐれてしまって……エルにぃと何とかここまで来れたのです……ですが……エルにぃは敵から僕を護ってくれて傷だらけに……」
と俯きこれまでの辛い道のりを思い出したのか、泣きそうになっていた。
「辛いことを思い出させてごめんなさい。それと、エル君なら私たちが治療したよ。」
「ホントなのですか…!ありがとうございます!」
と表情を明るくし尻尾をパタパタさせて喜んでいた。
「そういえばカイト、あなたがちっちゃい頃に来ていた服ってまだ捨てて無かったよね?」
「?確かまだ物置部屋に捨てずに残してたハズですが…?それがどうかしたのですか?」
「それなら丁度いいわ。ねぇレテ君1つ提案があるのだけど」
「ほよ?なんですか?」
「あなた達、私達と一緒に住まない?」
「えっ良いのですか…?」
「ここで少しの間住んで力をつけてそれから親御さんを探しに……行かない?」
「う……ん。でもエルにぃに聞いてみないと…」
エル君はこんな状況でもまだ寝てたみたいで、レテ君が「エルにぃ起きて!起きてよー!」と困りながら体を揺さぶっていた。 それでもまだまだ夢の中らしく、起きるどころか「もう……食べきれない……」と幸せそうな顔をしながら寝ていた。
そんな2人をよそに僕は先生に質問をしてみる
「それで先生?この子達は結構どんな種族なのですか?」
「それは……ごめんカイト、私も分からないんだ。てへっ」
「えっ先生……?それなのに家住ませるなんて言ったんですか」
「ほら、空いている部屋まだあるし家具とかは魔法の力でパパっと」
「いや先生僕が聞きたいのはそこじゃなくて「私この子達のご飯作ってくるから~起きたらダイニングに連れてきてね~ああそれとカイトの服を2人に着せてあげるように~!」
「えっちょ先生?先生 ~!!」
先生に逃げられてしまった…まぁ僕もお腹空いてるし後で改めて聞こうか。
そう考えていると
「うるさぃレテ…まだ寝かせてよ…ってここどこ…?いつの間にか僕の傷治ってるし……」
寝惚けなまこを擦りながらエル君が起きた。
「エルにぃ!もう朝だよ~!」
起きてくれたことに改めて嬉しかったのかレテ君が満面の笑みで尻尾をパタパタ振りつついきよいよく抱きついた。
「レテ抱きつくなって、離れてくれってー!」と抵抗するも剥がせずにレテ君はエル君にくっついて頬をスリスリさせていた。
「レテ君?ちょっと色々説明したいから剥がしてあげていいかな?」
「はっ……!ごめんなさいカイトさん」
素直に謝りつつレテ君はエル君から離れた。
「えっとね、ここは迷いの森…と言ってもただの森の中だけど、その中でミア先生と一緒に住んでるんだ。僕の名前はカイトだよ」
「僕はエル、エルです」
「うん、改めてよろしく。それじゃちょっとそこで待ってて。その格好じゃ風邪を引いちゃうから何かしら着れる服を持ってくるよ」
「あっ……僕服来てなかったんだ……」
「僕もか…どうりでなんか寒いと思った…」
そう言い僕の部屋から出て物置部屋に向かい、適当なサイズの服を二人分揃えて、念のために魔法で少々綺麗にしてから僕の部屋に戻る。元から綺麗だけど念のため。
「持ってきたよ。レテ君はこっちの服、エル君はこっちの服ね」
「「はーい」」
と2人そろって返事をし、2人は服を着ていった。
「よし、2人共服を着たね。それじゃ朝ごはん食べようか。着いてきてね」
「ごはんだー!やったぁ!」
「はーい。最近いっぱい食べれてなかったから嬉しいな~」
2人共そんなにいい食事にありつけなかったのか、とても嬉しそうな反応を示した。
そして僕は新しく増えた2人の家族…といってもまだ住むと決まった訳じゃないんだけど、これからの生活に胸を踊らせながら、先生の待つダイニング迄移動するのでした。
(終)